散歩道<5903>
経済気象台(829)・将来世代へツケをまわすな
先月開会した通常国会の冒頭になされた安倍晋三首相の施政方針演説を聞いて、白々しい気分になった。首相は4年間の実績を踏まえ、「今こそ、未来への責任を果たすべき時だ」と基本姿勢を訴えた。しかしながら、具体的にどう実現するのかよくわからなかった。
とりわけ「未来への責任」というなら借金つけで将来世代へツケを回し続けている赤字財政の現状をいかに責めるかが、喫緊の課題のはずだ。だが首相は全く無関心で、これまで言及して北2030年の「基礎的財政収支」を黒字化する財政再建の目標をいかに達成すべきかに関しても、演説では全く触れていない。
1月末、内閣府は新しい中長期財政試算を公表した。高めの成長率(実質2%以上、名目3%以上)を見込んでも、20年度の基礎的財政収支は8・3超円の赤字に成り、その幅も昨年7月の前回試算より2・8兆円悪化している。財政実現化の実現は一段と厳しくなったことを意味する。
おりしも本年度の税収の落ち込みも顕在化してきた。第3次補正予算では、税収減を穴埋めするために赤字国債1・7兆円を追加発行する事態に追いこまれた。
安倍政権が進める「成長=税収増」による財政健全化路線ンは、明らかに破たんしている。
このように赤字財政の解消のメドもたたずに、いたずらに。将来世代にツケを回している現状を打破するためには、「痛み」を伴う構造改革の断行こそが不可避である。だが与野党ともに国民の反発を恐れ、国会での論戦を避けている。今こそ首相自らリーダーシップを発揮し、消費税の増税を明記した社会保障と税の一体改革を再構築するしか、将来世代に責任を果たせないのだ。 '17.2.25.朝日新聞
<検>経済気象台、<検>政治、<検>世相、
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