散歩道<5892>

                       論壇時評・人間と機械(3)・  AIが絶対出来ないこと

 この点で日本は対応が遅れ気味だ。前述の荒井は、政府の態度をこう評した。「AIはすごいイノベーションを起こせば逆転満塁ホームランが打てるという青写真んを描こうとおしている」②あらいによれば、事務職の仕事の2割がAIに代替え可能と予測され、人々を新しい職に移行させる能力開発と、貧困に起因する教育劣化への対策が急務だ。それなのに政府は、地道な対策に取り組むよりも、「『ここは機械にホームランを撃ってもらおうと』考える。これが今のAIブームを支えている。
 新技術の導入だけで経済が成長するなどという期待は、高度成長への誤解に基づくノスタルギーに過ぎない。古い社会や古い政治を延命する為にAIを使えば、多くの人が犠牲になる。それこそ、「人間がAIに負ける」という事態にほかならない。そうではなくAIと共存できる社会に変えていく為に、人間にしかない英知を使うべきだ。

 なを冒頭の「藤井四段はAIに勝てるか」の答えはこうだ。彼はAIに勝とうとしていない。AIを相手に練習し、AIを自分を磨く道具にした。まるで、自動車と競争するのではなく、」自動車を使いこなす社会を変えた人々のように。

<検>仕事、<検>IT、<検>
波聞風問・AI人材(1)~(3) どう育てるか産官学に課題、

'17.7.27.朝日新聞・歴史社会学者・慶應大学教授・小熊 英二氏