散歩道<5873>
経済気象台(819)・生産性が上がらない理由
今年の政府・骨太方針の副題は「人材への投資を通じた生産性向上」。働き方改革や規制改革、イノベーションと投資の拡大などで生産性向上を図るという。労働力人口が減り続ける日本では、生産性を高めなければ経済成長を実現できないのは明らかだ。しかしそれは簡単ではない。
先進国、新興国を問わず世界各国で生産性上昇率は低下を続けているし、その理由もはっきりしない。
例えばアメリカ。労働市場の流動性が高く企業の新陳代謝も活発で、グーグルやアマゾンといった企業が、先端イノベーションで世界をリードしている。それでも非農業部門の生産性上昇率は、1995~2005年の年平均
3・0%から、16年には0.2%まで大きく低下した。
この事実は、一部の先進的な産業や企業だけで国全体の生産性を上げるのは難しいことを示している。1990年代後半のIT革命期は、インターネットが広範な産業、企業、地域で活用されて生産性が高まり、多様な仕事と雇用が生まれて高成長が実現した。そのようなダイナミズムが失われてしまったことが、生産性低迷と成長減速の背景にある。
日本はどうか。大企業と中小企業、正規と非正規、東京と地方など経済構造の分断は大きく、成長機会や成果の波及が進まない。生産性上昇を支える労働者のスキルは、企業内教育訓練の縮小や非正規雇用の増大によって劣化しつつある。働き方改革が目指す雇用流動化は、それを増幅する可能性がある。安倍政権は、一部産業・企業の優遇を好むが、それは潜在的な成長産業・企業の存在を見落としている懸念がある。これでは「生産性を上げる」といわれても、信じられない。'17.7.11 .朝日新聞 <検>経済気象台
備考:働き方の指摘はその通りだと私も思います。人口減少によるものか、大きな企業の進出による影響か、地方のシャッタ商店街が目立ちます、これからの日本をこれで本当に支えられるように立ち直れるのか、心配です。'17.10.6.
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