散歩道<5872>
経済気象台(818)・日本的サービスの再考を
日本のGDP(国内総生産)の約7割を占めるサービス産業の生産性は、米国の約半分ともいわれている。その一方で、接客のきめ細かさや業務の正確性・信頼性など、日本の方がサービス水準が高いと思わされる場面は多い。日本人だけでなく、日本に長く住んだことがある米国人もそういう認識を持つ人が多い。
これは何を示唆するのか。日本のサービス産業は、対価に十分反映されていないサービスや、場合によっては過剰というべきサービスに労力を取られている面があり、それが数字の差となっているのではないか。
このことが端的に表れたのが宅配サービスの問題だ。注文当日内の配達、時間帯指定、不在時の再配達などは利用者にはありがたいサービスだが、宅配事業者はそれにかかるコスト増に耐えかね、ついに値上げ交渉を余儀なくされるにいたった。
海外では、ここまできめ細かいサービスが追加料金なしに提供されることはないようだ。
一般にサービス業の場合、海外市場との競争に直接さらされることは少ない。宅配についても日本的な「サービスはただ」「お客様は神様」の文化の中で、競争が激しくなっていった結果なのだろう。だが、そうした付加サービスは本当にそれを必要とする顧客に対して適正な対価を徴収して提供すべきである。追加料金を払うくらいなら必要ない、というのであれば、それは過剰サービスだったのだ。サービスに見合った価格設定になっていない我が国の商慣行を変えるという観点から、今回の料金値上げへの動きは前向きにとらえるべきだろう。日本のサービス産業の生産性を向上させるためには、避けて通れないプロセスだ。'17.7.5.朝日新聞 <検>経済気象台
備考:筆者の意見に大賛成です。17.10.6