散歩道<5871>
経済気象台(817)・技術革新と言論の責任
先端技術の議論が盛んだ。たとえば、自動車は電気自動車が発達すると、スマホやプラモデルを組み立てるのと同じようになり、現在の日本のメーカーは立ちいかなくなるという主張がある。もっとも、この手の主張には「近い将来」というお断りが付く。その「近い」がいつのことかは書かれていない。
あるいは、完全自動運転の時代があと10年先、20年先にやってきて、すべての車が置き換わる、などと言われている。10年と20年では時間の長さが随分と違う気もするが、世界ではいま、年間9千万台のクルマが生産されている。そのすべてが、完全自動運転の電気自動車に代替えされる、などという事は100%ない。
近隣諸国のバンコク、ジャカルタ、マニラ、ホーチミンなどのラッシュを見るとよい。バイクと自動車が殺到し、車間距離は20~30㌢だ。道路交通法も整備されておらず、マナーも当然徹底していない。バスが歩道を走ったりしている。インドやバングラデッシュに行くと、そこにはアリの集団のように人が歩いている。完全自動運転車では、24時間かかってもほとんど進めないだろう。
人口知能(AI)を巡る狂奏曲も似ている。囲碁や将棋にはルールやデーターがある。だが、仕事の多くは「その場での対応」の連続であり、人間関係の管理を含め、イレギュラーな出来事への対処が基本となる。メディアで発言する人間は、耳目を集めるのが大切なので、タイトルを含め、「鬼面人を威(おど)す」事に集中し、」大事な細部を顧みず、極端に走りがちである。大切なのは、周辺を含めて事実関係をきちんと把握し、その言論に責任を負うことだ。'177.4.朝日新聞 <検>経済気象台
備考:この散歩道<5871>回は、通算で7850回(実質)に成ります。
備考:筆者が言われる意見に大賛成である。AI、電気自動車はメデイァに取り上げられすぎであります。テレビの番組は、気にはなりますが、小池知事、北朝鮮の問題がどの局でも話題に集中し過ぎだと思います。'17.10.6.