散歩道<5859>
経済気象台(810)・常識を超えた絵本
「エントツ町のプペル」という絵本がある。昨年10月出版だがすでに30万部に達した。著者はお笑いコンビ・キングコング西野亮廣(あきひろ)さん。彼はこれまでもえほんを出しているが、4冊目の今回は。製作、マーケッティング、話題つくりなどで、絵本出版業界の常識を超える手法を取った。まず政策手法。基本となるストーリーや原画は西野さんの手によるものが、仕上げは政策チームの35人がそれぞれの得意技を生かした共同作業だ。政策費用もクラウドファンテングで募った。
次にマーケッティング活動。作品の魅力を伝える為に全国で原画展を開いている。この費用もクラウドファンテングで調達し、5千万円近く集まったという。神戸の原画展の最終日は3時間待ちになった。展覧会場に足をはこんだ人はプペルの世界へと誘われ、記念に絵本を買っていく。偶然ではなく、人々の関心が体験型消費に転じていることを読み取った西野さんの発案による。
一方で、小学生が2千円の本は高かすぎて買えないとSNSに投稿すると、ネットでの無料公開に踏み切った。それがまた賛否両論の話題を呼び、絵本の実売りに繋がっている。
彼は言う。もし旅行でパリに行って、ルーブル美術館の近くで1時間ほど空いたら、多くの人は「モナリザ」を見に行くだろう。絵のことは教科書などでみんな知っているのに。人は自分が知っていることを追認する為に旅に出る。無料公開にしてもプペルのことを知ってくれる人が増えれば良いと。
映画化の動きもあるそうだ。いつか大好きなディズニーを越えてみたい、と真顔で語る西野さんの夢は尽きない。'17.06.10 .朝日新聞
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備考:これを実行した彼の発想と、実行力に敬意を表したい。