散歩道<5858>
経済気象台(809)・悪循環の繰り返しだ!
安倍晋三首相は「アベノミクスの再加速化」を目指すとし、事業規模約28兆円の大型経済対策をうちだした。今このような政府主導の処置が必要なのか。その効果となると必ずしもろ手を挙げて賛成できない。
マクロ的に見て、需給ギャップはリーマン・ショック直後に比べれば大幅に改善し、総需要不足の状況にない。8月の有効求人倍率も前月と同じ1.37と、労働需要給は引き締まり、目下の低成長は」需要不足より供給能力の停滞によるとところが大である。なぜ今さらマクロ的財政出動なのか。
バブル崩壊後、1992年から現在までこの種の経済対策は26回実施されている。今回は3番目の事業規模だ。その多くが公共事業を目玉に建設国債で調達されており、赤字国債もかなりの規模で発行されてきた。「失われた20年」の間、日本経済をどれだけ下支えし、成長に寄与したかははなはだ疑問である。
税収増に必要な名目成長率が1~2%台を記録したのは、92年度から2014年度でわずか8か月であり、他の年度はマイナスないし0%大で平均は0.4%台だ。公共事業を主体とした大規模な総需要喚起策を繰り返しても、この程度の成長を達成したにすぎない。この間、経済対策で発行した国債は実に約105兆円に及んでいる。我が国において「大型経済対策=成長促進」という発発想は、これまで失敗の連続である。残された結果は、先進国最悪の財政赤字累積なのだ。アベノミクスの流れの中で、今回の大型経済対策も悪循環を繰り返すだけで終わるだろう。現在必要な政策は、痛みを伴う規制緩和を主体とした構造改革で日本経済の成長力を引き上げることだ。'17.10.26 .朝日新聞
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備考:市民は短期でなく長期に景気が良くなるだろうと見通せなければ、財布の口は中々開けることは難しいのではないか。