散歩道<5842>

                         経済気象台(804)・厳しさ増す市場の目

 日銀が金融政策の枠組みを変更した2%の物価安定目標を2年で達成するという旗を掲げてすでに3年半。短期決戦の予定が想定外に長引いた為、長期戦に備えて持続可能な政策に切り替えた。
 もともとその内容はわかり難い。事実、先週あった海外投資家は「10年国際金利をゼロ程度にするというけれど、ゼロ%は上限なのか、加減なのか、ゼロ%程度の許与範囲はどこまでなのか、全然わからない」と、当惑していた。
 市場から追い込まれての追加緩和はしたくない。物価目標の達成には生産性や潜在成長率の引き上げが重要であり、その為の構造改革亜を担う政府にバトンをわたし、金融政策への過度な負担を軽くしてほしい。そう考える日銀はサプライズ狙いをやめ、市場とのコミュニケーション改善を図ってきた。他の主要中央銀行ほど明確ではないとはいえ、黒田東彦総裁ら幹部が講演や会見で日銀に考え方を説明した事を市場は評価している。
 しかし新しい枠組みが解り難いため、どんなタイミングや基準で追加緩和が決まるのか、金融政策への注目はむしろ高まってしまった。
 大胆な金融政策が効いている間に、痛みを伴う構造改革を実施するはずのアベノミクスはスタートから4年近く経つ。なかなか成果が上がらないため、海外投資家か影響がはっきり出る金融政策に注目してしまう面もある。
 安倍晋三首相は今国会を「アベノミクス加速国会」と位置図け、財政支出を決定し、農業や働き方改革を断行すると意気込んでいるが、日本を見る市場の目は厳しさを増している。これで進展が見られなければ、次の注目点は日本の財政破綻
(はたん)に成りかねない。
'16.10.06.朝日新聞     <検>政治

備考:市場経済・景気動向・対策については関心があり、ずっと見続けていきたいとおもう。

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