散歩道<5841>

                         経済気象台(794)・説明責任を果たすためには

 社会の信頼を裏切るような不祥事が発覚すると、きまって問われるのが。早期の謝罪と同時に事の経緯について説明責任を果たしたかどうか。その真意はアカウンタービリティーを励行せよという事である。ただ、責任という意味合いでの英語にはリスポンシビリティーという語もあり、両者は必ずしも明確に識別されていない。
 リスポンシビリティーとは、指示された役割や業務を誠実に実行することで果たせる励行責任で、あくまでも個人の問題である。一方アカウンタービリティーは、真実で適切な情報の開示により、ことの経緯について説明し、関係者の理解と納得を得ることで果たせる公的な結果責任で、会計と訳されるアカウテイングと相通ずるものがある。
 企業不正の中でも粉飾決算は、組織内の担当者個人の励行責任として問うのではなく、真実で適切な情報の開示を行っていない組織責任者の結果責任として厳しく問われるべき性格のものである。
 我が国の場合、個人が果たすべき役割については、それぞれが忠実に励行義務を果たしている場合は多い。しかし、最終的に責任を負うべき立場の者が、自身の励行義務を含め、役割を適切に果たしたことを説明出来ていない場合が多い。
 とりわけ、企業の経営者や社会的に責任ある立場の者の場合、関係者から納得してもらえて初めて、信頼を得ることが可能になる。その為には、真実かつ適切な情報の開示をもとに納得しうる説明を継続することが不可欠である。政治資金などの公私混同疑惑で、外添要一東京都知事の対応は、説明責任の励行とは相いれない、きわめて雅拙かつ不当なものである。到底社会の理解は得られない。  
'16.6.15.朝日新聞     <検>政治

備考
:情報が遅いと指摘されそうだが、政治には清潔さが必要です、ダーティというイメージは人の記憶から離れないものです。政治の基本は人、時代に関係なく厳しくあるべきと思います。'17.7.3.

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