散歩道<5840>
経済気象台(793)・人口減時代の農家の形
国際調査の速報値(2015年)には、人口減少に突入した日本の姿が数値となって現れている。その一方で世帯数は増え、世帯の人数は減っている。いまや世帯の32.5%が一人だ。
日本農業の担い手である農家も、その例外ではない。ただ、一人住まいになる理由は高齢以外にもある。北海道では近年、若い後継者が結婚を機に家を出て住宅や店が集まる地域にアパートを借り、「実家」に通って農業をするスタイルが増えている。パートナー不足に悩む農業青年にとって、「結婚には親の同居までついて来る」となると、ますます相手探しは難しくなるからだ。
農家だけ、3世代同居という古き良き家族の形を押し付けるつもりはないが、やはりどこかさびしさを感じる。畑や家畜から離れて生活することは、農業をいとなむ上で色々と不都合もあるが、後継者は結婚生活を考えると別居を優先せざるを得ない。夫は農業で妻は別の仕事を続ける夫婦は珍らしくない。ある程度資金がたまっても、次のステップは、実家と同じ敷地に新居を構える「敷地内別居」だ。親が新居を用意することもある。30年後には、また次の世代が祖父の住んでいた家を建て代えて、新居を構えるだろうか。たとえば不謹慎だが、神社の式年遷宮うのように何十年かごとに建て替えを繰り返しながら。
時代や社会が変わり、家族の形は変化する。でも、たくぶつに寄り添いながら、生活の場と働く場が一体であるという農業の形は変わらない。100年後のは、どんな「農家の形と、それが集まる地域の形が作られるのだろう。こんな視点から、地域の未来図を考えることも必要かもしれない。
'16.7.16.朝日新聞 <検>環境
備考:農業については50~100年先を見据えた国を挙げての対策を考える必要があるように思います。