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経済気象台(10)・ベンチャ企業の難しさ
公的助成金で新しいタイプの医療廃棄物の焼却炉を試作したMさんは、商品化するために銀行に融資を打診した。「当行が融資するより、ベンチャーキャピタルで投資先を探している所があるので、そちらを利用されたらいかがでしょうか」との返事だった。
「見込みのある開発ですね。投資を検討しましょうか。ベンチャーキャピタルから連絡があり、商品化の前提になる第2次試作を行い、展示会に出品して反応を見た。TVのニュースで紹介されたり、業界紙の記事になったり手ごたえは大きかったが、Mさんなりの考えのもとで作った焼却炉だったので、専門家からいくつかの改善点を指摘された。商品化にこぎつけるには、こんな事も考えておかなければいけなかったのか、と事前の計画の詰が甘かったことを反省しながら仕事を進めた。
数種類の炉を作り、1部は試験的に使ってみましょうと購入してくれる所もでてきた。開発は順調だが、資金の方は潤沢ではない。Mさんは別の投資者を探して、開発資金を何とか確保した。少しずつ売れ始めてはいたが、開発資金を回収するまでには至っていない。少しずつ仕様の異なった製品への引き合いが多いので、標準品では済ますことが出来ず、いわば多品種少量生産。その分、コストもかかる。「技術の蓄積の為の投資だと思えばいい」と、ベンチャーキャピタルの側はいってくれる。しかし、売上は思った以上には伸びない。資本金1千万円から始まり、増資を重ねて今では1億円を越えている。
製品在庫を目いっぱい評価すれば、何とか債務超過は回避できる。「先行きは明るい」と、ベンチャーキャピタルの担当者は言ってくれる。
ベンチャーの成功者がもてはやされる中、多くは苦労が絶えない。2005年9月19日 '05.8. 朝日新聞、経済気象台
備考:有形、無形も含め考えを商品化することの難しさは本当に大変だともう、特に無形(たとえばIT)等に関してはそれを理解して頂ける部署等があれば活躍の面は社会からより広く若者も含め出て来るのではないと思いますが。'17.6.18.
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