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経済気象台(4)・どこへ行った中小企業対策
中小企業対策という言葉には、一種、正義感の響きが合った。しかし今日では、政治家さえ口にすることが少なくなった最近の中小企業対策はベンチャービジネスや新規開業支援が中心になっていて既存の中小企業対策は後回しになっているように見える。
中小企業の宝庫である東大阪市の工場に囲まれた一角に、使命感にあふれた、普通には見過してしまう中小の紙器・印刷専門のS社が活動している2000年からテークアウト用弁当などのリサイクル容器の製造に乗り出している。紙容器の内側にフイルムが敷いてあり食後は分別して紙容器を回収、それを再生紙としてリサイクルする仕組みを確立している。 これを開発するきっかけは同社社長が湾岸戦争の映像を見て地球環境の大切さを痛感したからである。
現在、大学生協と組んで全国各地の大学のほか、テークアウト店や、野球場で利用されているとのこと。販売額は1割程度ながら学生の環境問題への関心の高さに励まされ、この事業に誇りを持って取り組んでいる。こうしたことは従来から積み重ねてきた技術、ノーハウをベースにしてはじめて可能であったという。
とはいえ、恐らく採算の取りにくい分野であろう。このような既存の中小企業を支援することは重要である。ものづくりの基礎技術は中小企業に負うところが大きい。わが国全体の今日的課題解決に最前線で働らいている中小企業は多い。国も地方公共団体も、こうした既存の中小企業の声に耳を傾けるべきだ。
資本金1円企業でも株式会社組織になれるようにする法改正より、今日の課題の一つである環境対策の方がはるかに緊急度が高い。不要なごみを減らす社会づくりに貢献する中小企業への対策が急がれる。
'05.7.22.朝日新聞・経済気象台
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備考:日本社会は中小企業が強かった為、支えられてきた歴史がある、現在、中小企業が全国的に厳しい状況に置かれている今こそ、応援することが緊急の課題であると思う。