散歩道<5803>
経済気象台(800)・ポピュリズムの求心力
中道で親EU(欧州連合)を掲げるマクロン氏が、右翼・国民戦線のルペン氏を破ってフランス大統領に就任した。3月のオランダ総選挙でも、反イスラムEUに懐疑的な自由党は第1党となることが出来なかった。混乱が回避されたことから、多くの識者は安堵し市場も好意的に受け止めた。
しかし、これで、英国のEU離脱やトランプ米大統領選出の背景にあったポピリズム、反グロバーリゼーションの動きが退潮に転じたと考えるのは楽観的すぎる。棄権・無効票を考慮すると、マクロン氏を指示した有権者は、全体の44%でしかない。大統領が規制緩和や労働市場改革を勧めれば、有権者の不安と反発が再燃する可能性がある。イタリアでも年内に予想される総選挙で反EUを掲げる政党「五つの星運動」が支持を伸ばすとみられ、投資を引き上げるファンドも増えている。アメリカでは、トランプ大統領がどんなに支離滅裂でも、アメリカ第一、産業再生と叫べば、多くの労働者は熱烈な支持を示す。労働分配率(労働所得のGDP<国内総生産>比率)の持続的低下が示すように、この30年間、労働者は企業や資本家に負け続け、かってなく大きな所得と資産の格差が生まれた。それを増幅したのがグロバーリゼーションだった。既存の政治勢力や有権者は取り残された人たちに向き合わず、移民が経済問題であると同時に、皮膚感覚での違和感の問題であることに目をつぶってきた。そして誰も、納得的で現実的な解決策を示してこなかった。
'17.5.17 <検>仕事
備考:今の世界は、世界的な格差社会であると思う、経済の成長(特に金融)、科学技術(特にIT)の進歩、グロバリゼーシヨンもそれを速めた要因だとも思う。これを解決する為には人の英知と世界的な協力が必要だろう。