散歩道<5796>

                                    経済気象台
(793)・東アジアは停電の時代

 今年の「通商白書」を読んでいたら、1970年の日本と2015年のベトナムの人口ピラミッドが、そっくりなことに驚いた。
 ベトナムの現在の人口構成比は、20歳から30歳の年齢が突出して多く、70歳以上がとても少ない。という事は、ベトナムでも平均寿命が延び出世率が低下したら、急速に老いていくことは明らかである。むろん高齢化社会を恐れる必要はない。近年の日本でいわれる「貧困」は、戦後の暮らしを生きてきた人間にとっては、「豊」なものである。
 団塊の世代は若い頃。正規雇用として普通にはたらいても、月給前はみなインスタントラーメンをすすっていた。もちろんエアコンも冷蔵庫もなかったし、「電話」を持つことなど誰も考えなかった。一般家庭が電話の設置を頼んでも、当時の電電公社(今のNTT)は、すぐには来てくれなかった。
 ケータイを持ち、バイクにまたがる現代のベトナムの青年を見ていると、1960年代の日本の若者よりも豊かである。むろん地方の農村に行くと、せいぜい家の電燈は2つである。50年代の日本もそんな水準だった。
 そういえば、同じ「白書」に世界各地域の1ヶ月の「停電回数」が示されている。OECD(経済協力開発機構)加盟国と比べると、南アジアの停電の多さに驚く。これも日本の50年代だろうか。進出した日本企業が、自家発電設備をもつ理由が分る。
 ベトナムに限らず、新興国が日本に期待するのは、電力、湾港、交通などのインフラの設備である。彼らが豊かになることが、日本の発展につながる。国際的な支援はこれからも必要だ。 
 '16.9.15

備考:未来に描く世界は近くにある、希望を持って前へ進んでほしい。                        

                                     30