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                総選挙あと2日(1)・中村 哲氏憲法はなぜ語らないのか<1>            (1)~(2)続く

 いま1ヶ月アフガニスタン、2~3週間日本にいる生活である。難民を対象とした医療活動のほか、農民とともに灌漑のための用水路や水門を建設して、砂漠化した農地の再建を目指している。人口の9割が農民というアフガニスタにとって、もっとも重要なのが農業だ、住民を土木作業員として1日240円の日当で雇っているがこの金額で彼らは食べていくことができる。平和に暮らすにはまず、「生きる」ことを保障しなくてはならない。こんなアフガンから日本に戻ると平和な生活が行き渡っているように見える、それなのに「日本の社会は行き詰まっている」「いつ危機に陥っても不思議ではない」といった言論が大手を振っている。選挙では「改革を」するのか、それともこのまま放置して「危機」に陥ってもいいのか、それを決断せよ、と。私は米国によるアフガン空爆(01)以来、それに協力した日本は異常な方向に進んでいると思う。国際情勢というのは複雑で予想もつかない。いつ、どんな状況の変化で思わぬ事態に巻き込まれるのか。だからこそ、単純に日米同盟一辺倒でいいのか、そのことで我々は作らなくてもいい敵を作っているのではないのか、といったことも考えられる。日本政府はアフガンやイラクに様々な支援を行なっているのに、現地での対日感情は悪化している。米国への嫌悪がそのままに日本に向けられているようにすら感じる。人道主義や、自由と民主主義を標榜したからといって、現地での支援活動がうまくいくわけではないのだ。     2005年9月9日

'05.9.9.朝日新聞
医師、ペシャワール会現地代表

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