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総選挙あと2日(1)・中村 哲氏・憲法はなぜ語らないのか<2> (1)~(2)続く
一方、国内では小泉首相の選挙戦略もあるのだろうが、郵政民営化ばかり焦点が当てられている。問題は巨額な郵貯・簡保のお金の流れだと思うが、これらはもとをただせば庶民の金だ。「民営化」によって新しい銀行や保険会社が生まれたとしても、これが破綻する恐れはないのか。そうなれば再び我々に「負担」が戻ってきるのではないか。民営化さえ果たせばすべてバラ色というのは単純化しすぎた考えだと思う。さらにいえば、国の行く末を本当に占う意味では「憲法」について考えなければいけないのに、それが語られることはあまりない。選挙後、憲法「9条」はいったいどうなってしまうのか。戦争をゲームとしか考えないような発言をしている政治家もいる。でも軍事力で平和は達成出来ない。戦争で大きな被害を受けるのは子供や女性、老人などの弱者だ。自分達の安全や安心を求めることは当然だが、人に危害を加えないためにはどうすべきかも考える必要がある。今回の選挙は無理やり「劇場」へ連れ込まれ、見せつけられている「芝居」のような気がする。でも、それだからこそ、将来を決定するような重要な決断は事実を見極め、軽々に結論を出さず、踏みとどまり、立ち止まって、決めることが重要だ。あれもしてくれ、これもしてくれという「足し算」で人を選ぶのではなく、少なくともこれには加担しないといった「引き算」で考える必要があるのではないだろうか。2005年9月9日
'05.9.9.朝日新聞・医師、ペシャワール会現地代表
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