散歩道<5780>

                           経済気象台(792)・誰のための監査か?

 見きり発車で、東芝は第3四半期決算報告書を提出
公表した。本来であれば、決算から45日以内の提出が決められているのに2度も延期し、倍以上の100日を費やした。しかもPWCあらた監査法人の結論はいまだに得られていない異常な状態が続いている。
 今般の東芝のドタバタ劇を見る限り、決算報告書の開示主体で監査の元締めの監査委員会と、外部の監査法人との間の信頼関係は完全にそがれてしまっている感がある。それどころか、東芝は監査法人を変える検討もしているようだ。監査委員会には監査法人を選任した責任がある。まず、意見不表明の理由を明確にするようにPWCあらた監査法人に強く促すべきである。
 監査法人は第1・第2四半期決算では全く指摘の無かった米国の子会社に関連して巨額の損失が顕在化したため、事後対応に奔走したと思われる。加えて、PWCあらたは米国の巨大会計事務所PWCが主導して設立した純粋な外資系監査報じんだ。前期以前にさかのぼって、会計処理の信頼性が得られるあでは結論を述べられていない、という本国側の意向を強く受けけているのであろう。その為日本法人としての主体性が見えないことも、関係者の不信感を増幅させている。
 監査制度の主たる使命は、経済社会のインフラとして、我が国資本市場の信頼性を保障する点にある。特定の企業や企業関係者の、監査法人の利益を守るためのものではない。
 監査に対して将来生じる批判や責任を回避したいとの思いもあろうが、監査委員会及び監査法人の現在の対応は、本来守るべき市場や投資家の信頼を軽視した責任放棄の道を歩んでいるといわざるを得ない。
'17.4.29.朝日新聞     <検>仕事

備考: 戦後、日本の成長をリードした大企業東芝が、もう一度日本の中枢の大企業として戻ってきてもらいたい。

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