散歩道<5779>

                         経済気象台(791)・就職氷河期世代の行く方

 雇用の改善は喜ばしい、就業者数が増え、始めている。正規雇用も増え始めているまだ賃金がおおきく上昇していないから完全雇用ではないものの、アベノミクスの成果であるというべきだ。ちなみに雇用状況の改善を少子化に求める意見もあるが、少子化は昔から進んでいるのに就業者数は増加していなかった。また少子化で雇用が改善するなら、需要と供給の関係で就業者数は減少して賃金は上がらなければならない。実際には就業者数は増えている。
 だが、この改善から取り残されている人がいる。今、ネットで「俺ら就職氷河期世代ってもう忘れ去られたのか」という匿名のブログが話題になっている。彼らはバブル崩壊期の1993年から2005年に労働市場に入った人々で、年齢でいえば現在34歳から46歳というところだ。「正社員になれない」ブログの筆者は、状況は「むしろどんどんひどくなる一方なのに俺らの問題が」どんどん優先度が低くなっているのが日に日に伝わってくる」と焦燥感をあらわにしている。
 このブログには案の定、甘えている、もっと努力すればいい、自己責任だという声が寄せられた。だが、デフレ不況の過酷な環境を自己責任に帰すのは不条理である。彼らの救済は難しい。考え得るのは、公的雇用、金銭的補償、再訓練くらいである。どれも完璧ではない。そしてこの筆者が求めているのは人間としての「誇り」であり、人生への自己肯定感である。この感覚は、仕事を得ることに苦労しなかった世代にはピンとこないかも知れない。
 景気回復を続けることは必須だが、それでもブログと同じように問いかけたい。「就職氷河期世代を見捨てるのですか」
'17.5.3.朝日新聞     <検>仕事 

備考:やはり男性にとって正規の仕事は「誇り」であり「自己肯定感」という感覚は大変良く理解できます。

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