散歩道<5774>
経済気象台(786)・自動車の正味の実力
自動車の排出ガス規制や燃費規制に対する大手メーカーの不正な対応が相次いで発覚する中、自動車の正味の実力への社会の関心が高まっている。
カタログに表示された性能と実際の性能のあいだに開きがあるのは周知の事実だが、限度を超えた開きは消費者の不審を買う。特に燃費性能の場合、日々の燃料代に影響するだけに消費者を落胆させる。
カタログにのせる燃費性能は、地域や国ごとにあらかじめ決められた、発進・加速・巡行・減速・停止などの走行パターンを実験室内のローラー台上で再現して測定する。
このためメーカーは走行パターンで最良の結果を得られるように制御し、最も良い値をカタログに掲載出来るように努力する。
だが、それは個々人の走行パターンとは必ずしも合致しない。さらに実際に走行する時には空調や音響装置、ワイパーなどを使うと燃料の効率は落ちる。気温や湿度、風速、風向、交通状態や道路状態、ドライバーの運転経験によっても左右される。
こうした中、導入に向けて準備が進んでいるのが、RDE(リアルドライブエミッション)。屋外で実際に走らせる測定方法だ。欧州で今年、排出ガスの測定から採用され、燃費測定への適用も検討されている。
これに伴ってメーカーは自社製品の正味の実力を改善するよう迫られている。正味の実力には静けさや振動の少なさ、カーブを走る時の安定性も含まれる。これまで廃棄してきた熱エネルギーや運動エネルギーを回収して再利用する廃熱回収装置や改正ブレーキ、高効率の空調装置といった新技術の採用が加速する可能性が広がっている。
'17.4.6.朝日新聞 <検>科学
備考:我が国の自動車は、検査項目に国の基準を満たしている以上、各メーカや車種によって大きな差があるとは考えにくい。兎に角、安全で走行できることを期待したい。