散歩道<5773>
経済気象台(785)・オプジーボの波紋
高額がん治療薬オプジーボが世間の話題を呼んでいる。この薬を一躍有名にしたのはその法外な値段である。厚生労働省によると、オプジーボ100㍉グラムの薬価は約73万円で、体重60㌔の人に投与すると1年間に3500万円かかる。
当初患者数がごく限られ悪性黒色腫(メラノーマ)のみに限定したために、このように高額になったが、その後摘用されるがんの範囲が肺、腎臓などにも広がり、ある程度薬価を引き下げる環境は整ってきた。ところが、安倍信三首相の指示や財政制度審議会(財政審)の要求などのより2月にオプジーボの薬価は一気に半額になった。かかる点が世間の注目を集めたようだ。
オプジーボは、現在さまざまなの波紋を日本社会に投げかけている一つは国民皆保険制度を中核に成り立っている医療体制がはたして持続可能かという点である。日本の医療は、どんな高額な薬でも。この制度により、患者の負担はごくわずかでその大半が税と保険料で賄われる。財政審資料によると、ある仮定計算で1カ月あたり医療費が約300万円であっても、高齢者(80歳)の自己負担額は1・2万円に過ぎない。
もう一つに、果たしてこのような高額治療剤を無制限に使用させて良いのかが問われだした。オプジーボの効き目のある患者は約2割に過ぎないとされる中、希望すればすべての人に投与してよいのか。費用対効果の観点から患者の絞り込みが必要になろう。英国では薬の使用にあたり、公的機関による厳しいチェックがある。増大を続ける高齢者のがん治療に当たり、将来何かしらの高額治療剤の使用制限が検討されるかもしれない。 '17.3.25.朝日新聞 <検>科学
備考:投与を希望する患者の気持ちはわかる、その為にも、本当に効果がある適応症なのか、多くの症例集計が待たれる。