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                 9.11.総選挙 若い世代へ・本田由紀氏(東大助教授・教育社会学)<2>1票は挽回・抵抗のチャンス

  又90年代後半以降、日本の若者は、生きる意味を真剣に考えざるを得ない状況にある。レールに乗っていればそこそこ満足できる時代が終わったからだ。ボランティアやNPO(非営利団体)など、新しい形で社会にかかわろうとする志向が強く、きっかけがあれば積極的な政治参加に結びつく可能性がある。若者の中には長者もフリーターやニートもいる。だが、経済システムにおいては頂点と最底辺に位置づけられるような2人の人間も、政治システム、特に選挙においては、いずれも1票として対等に位置づけられる。このような仕組みが保障されている理由はなにか。その一つは、経済システムでの弱者に挽回と抵抗の機会と権利を与える為である。そして政治システムは、経済政策や雇用政策を通じて経済システムに影響力を行使できる。この仕組みを最も戦略的に利用すべきなのは、経済システム内での弱者だ。そしてその典型が、フリーターやニートと呼ばれる若者である。確かにマニフェストは不十分だろう。しかしよく読めば、フリーターやニートについての各党の記述には、真剣さや具体性の点である程度の濃淡がある。「ややまし」という判断はできるのだ。政治の持つ集団主義や権力性への拒否反応も、若い世代にはあるだろう。しかし、そこは妥協してほしい。政治が若者やその中の経済的弱者に配慮せざるを得なくなるような「流れ」を作りださなければならないのだ。政治家にとって若者は今のところ「ノイズ」でしかない。それが力強い「ボイス」に変わっていくことを願う。2005年9月8日   '05.9.7.朝日新聞

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考:本田由紀さまが第6回('06.12)大佛次郎論壇賞奨励賞をもらわれた!おめでとうございます

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