散歩道<5758>
                                           
        
                                 経済気象台(784)・地域の微生物が果たす役割
 

 農業を新たに始めようと参入するうちに自分で生産した原料を使った「モノづくり(食品加工)をしたい」という希望を持つ人は、少なくない。いまの北海道でいえば、それはチーズとワインだ。「この地域でしか出来ないものをつくる」ことを目指す考え方で、実は地域固有の微生物が重要な役割をはたしている。殺菌していない生乳を原料に作った無殺菌のチーズや商業的に流通している酵母を使わないワインなどだ。地域や原料にすみついている微生物を活用することで、他の地域ではまねのできないものを、作ることができる。でも、自然の酵母や無殺菌だからと言って、いいものが出来るとは限らない。もしかすると、まずいものができあがる可能性も十分にある。チーズヤワインが長く作られてきたドイツやフランスなどの国では無殺菌チーズや自然酵母のワインは、当たり前だ。安全性や品質が保証されている背景には、長い間、食されてきた歴史的事実と、それを支えている伝統的製法がある。別の言葉でいえば、食文化といえよう。チーズとワインの後進国日本で重要なのは、先進国で確立された製法をまねることではなく、品種や栽培方法、地域固有の微生物の活用など、自由な発想で可能性を追求することにある。多様な地域があることが、モノづくりの可能性を広げ、未来のものづくりの基盤となっていく。地域固有の自然条件と微生物が作り出す、まだ見ぬ製品を作り出す潜在力。自然と人間の共同作業によるものづくりには、こうした地域の可能性に気づかせてくれる力がある。
17.4.14 朝日新聞   <検>経済気象台   <検>環境、

備考:地方創生という意味からも素晴しい計画だと思う、食品の場合は有効性は勿論であるが、安全性がそれよりも重要だと思う。

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