散歩道<5752>

                            
   経済気象台(778)・所得格差拡大の主因

 
 所得格差が拡大したのか縮小したのかを見る指標として。一般にジニ係数(不平等度)が注目されている。最新の2014年の数値が9月に厚生労働省の「所得再分配調査」で明らかにされた。「安倍政権が誕生してから初めての所得格差の指標として興味深い。公表された14年のジニ係数は、税・社会保障給付などで再分配をする前の当初所得ベース(総世帯)でみて0.5704だった。これは過去の3年置きの数値、02年0.4983、05年0.5263、08年0.5318、11年0.5536より上昇した。今世紀に入り、ジニ係数は上昇傾向にあり、1に近いほど所得格差の拡大を示すから、形式的には格差は拡大していると捕らえられよう。このジニ係数の上昇を見て、野党などはアベノミクスが格差を拡大させていると、国会等で追及することに成ろう。しかしその上昇の大半は、高齢者世帯ならびに単独世帯の増加によるものである。14年のジニ係数の上昇分0.0168.のうち、高齢者世帯の増加で0.0290、単独世帯の増加で0.0098と全体の上昇分を上回っている。という事は、これらの要因が所得格差を縮小させている賃上げ等の実質的変化マイナス0.022を打ち消すほど大きい。
 年収が少ない高齢者が増える程、つまり高齢化要因により所得格差は拡大するのは当然である。このような所得格差の主要因をうやむやにして、ジニ係数上昇という表面的な現象のみから、低所得層の所得補償のようなバラマキ政策などこれまでもしばしば実施してきた。民間の賃上げ動向とも合わせ税・社会保障により、視野を広げてこの所得格差の是正策を検討すべきである。'16.11.26.朝日新聞  <検>経済気象台、<検>外国、

備考:格差の問題は、どうしても近視的に高齢者に目が向けられががちだが、将来を考えると、本当に必要な対策は若者の雇用の促進や大きなビジョンを与えることだと思う。

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