散歩道<5743>
経済気象台(771)・大切なのは固有の競争力
日本でも官民で取り組みが始まるドイツ発の「インダストリー4.0」(第4次産業革命)の関連文系を読んでいると、共通して言及されるのは「ドイツでは中小企業向けの標準アプリケーションソフトを開発中」のニュースである。さて本当だろうか。というのは「中小企業」という言葉は、企業の規模の大小を表現しているだけであり、業種や経営のよしあし、あるいは技術やサービスを表しているわけではないからだ。パンやさん、美容室、花屋さん、金型メーカー、切削加工、熱処理、食品加工、学習熟・・・・「中小企業」だったら、どんな業種でも利用できる「アプリ」とは何だろう。パソコンのソフトならすでに、様々な業種向けのものが結構ある。しかし、技術もサービスも、それぞれの業種や企業ごとに異なるのが普通だ。というより、他に変わりがきかない固有の競争力をつくる努力こそが、「経営」なのだ。それは企業の大小とは無関係である。中小企業の仕事や競争力が、標準化できると考える人間は、仕事の現場を知らない人間である。例えば町のパン屋さんや、美容院を比べてみればいい。繁盛している店とパっとしない店とがある。それは店の経営努力の結果であって、規模の大小の結果ではない。製造業も同様である。「中小」という規模の視点で立案される政策は、「社会政策」(福祉)が中心となろう。しかし、福祉が産業を振興させることはない。大切なのは、投資への減税であり、得た利益を自由に使わせることである。「中小企業は弱いもの」「助けるべきもの」とする発想は、そろそろ終わりにしたほうがいい。 16.8.6.朝日新聞
<検>経済気象台 <検>IT
備考:オンリーワンの考え方は、地域や規模、業界に関係なくいつの時代でも大切な要素だと思う。大きな目と配慮で見守り続けて貰いたいのは、今の時代には是非必要だと想う。