散歩道<5742>
経済気象台(770)・事務ミスに科学的対策を
11月は日本科学技術連盟などが主催する「品質月間」だ。企業の生産現場での品質向上の取り組みは一般的だが、事務作業の品質は見落とされがちだ。かって大型コンピューターの時代は、専門の係員がデーターを入力し、照合するという手順を踏んでいた。しかしパソコンの低価格化で「一人一台」が当たり前になり、自ら入力するようになった。ITの能力がばらばらのまま各自がデーターを扱い、その品質は保証の限りではなくなった。あるとき、パソコン関連の広告で「スピーカー内臓」という誤字を見つけた。こんなミスは珍らしくないが、誤った入力が取り替えしのつかない事態を招くことがある。昨年12月、広島県の中学校で「万引きをした」という間違った記録をもとに進路指導がされ、生徒が自殺する痛ましい問題が起きた。誤ってパソコンに入力され、修正されないなどミスが重なったという。さて、朝日新聞は2年前に訂正記事のあり方を改革し、「訂正して、おわびします」に、間違えた理由が添えられるようになった。それを読むと「思い違いをし、確認も不十分でした」の類が多い。さらに、問題の真の原因を突き止めて再発防止を図る、トヨタ自動車の「なぜを5回繰り返す」分析手法を活用してはどうだろうか。「なぜ思い違いをしたのか」を掘り下げていけば、組織的に共有可能な対策につながるのかもしれない。私の職場でも、最近、健康管理室から「消火器検診」の通知が来たかと思えば、総務課からは「消火器訓練」の案内が届いた。こうしたミスを無くすには、「たるんでいる」といった精神論ではなく、より科学的な施策が求められる。
16.11.3.朝日新聞 <検>経済気象台
備考:正にこの指摘の通りと思う。どうもこれはコンピューターが人が考える文章を先に読んで適当な漢字に置き換えてしまう器械のクセ(性)のようなものだと注意する必要がある。