散歩道<5728>

                                  経済気象台(762)・マルクス主義に劣るのか?

                                           
   
 
世界の株式市場で個別株式を選別して投資するアクティブ運用が減少し、市場全体の動きを反映する指標に追随するパッシブ運用が拡大している。背景には低成長や高齢化などの根深い構造変化がある。パッシブ運用が拡大する資本主義はマルクス主義に劣るのではないか」・・・・米国の調査会社が挑発的な論を展開する。資本主義は利潤動機で資本を配分するダイナミックな仕掛けではなかったのか。パッシブ運用は意思を持って効率性を目指す計画経済に劣るのではないか。日本では年金積立金運用独立行政法人(GPIF)と日銀を合わせた公的資金が、東証1部上場企業の4社に1社の実質的な筆頭株主になっているという。公的資金による株式購入は運用受託機関によるパッシブ運用が大宗だ。市場の価格形成機能、資本分配機能をゆがめているのではとの懸念がある。
 運用受託機関による議決権行使も、コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)などに沿った形式的画一化がすすむ可能性がある。社会市場経済の中国。政府系有力企業を保有する国有資産監督管理委員会は持ち株会社を設け、その傘下に事業会社を組み入れる。政府の役割を「直接的な経営・管理」から「株主」としての管理に転換。「所有と経営の分離」で起用のガバナンスや収益力の向上を図る。シンガポール航空などを保有するシンガポール政府所有の投資会社をモデルとする。 バッシブ運用が広がる資本主義と社会主義市場経済の姿が似通う。米国ではプライベート・エクイティ・ファンド保有の非上場企業も増加し、株式市場の空洞化も懸念される。資本主義の課題を突く挑発の論には反論し難しいところがある。
16.11.19.朝日新聞     <検>経済気象台

備考:私自身は自由が束縛されるマルクス主義は好きではないが、自由に任せて資金運用する資本主義のやり方も社会構造の大きな変化の時代の時には対応を大いに検討することが必要ではないかと思う。