散歩道<5729>
経済気象台(763)・ 百貨店の時代は終わったか
幼い頃から、そこに身を置くだけで心が安らぐという百貨店ファンである。しかし最近は、閉店のニュースが相次ぐ。思い起こせば、小売り業界トップだった旧三越が。総合スーパのダイエーに売り上げで抜かれたのは1972年のことだった。その後80年にダイエーが小売業会初の売上高1兆円を達成するにおよび、百貨店の影はどんどん薄くなった。だが神風は吹く。過去には「バブル経済」近年には「爆買」ブームもあり、売上を回復させた。百貨店とて無策でいたわけではない。業界再編も進み、1店舗100億円を超す改装投資もあった。しかし改革で目立った成果を上げたのは伊勢丹メンズ館ぐらいしか思い浮かばないのは、わたしだけだろうか? 考えてみると、百貨店をしのいだ総合スーパも大赤字出苦しむ。米国流鵜の標準化を追いつつ、多店舗展開するこの業態は、いわは4番打者のいない店舗ラインナップだ。極端な話、1店舗が顧客に見放されると全体を見直す必要が生じてくる。一方、百貨店はよくも悪くも個店主義・立地主義である。不採算店舗は閉め、立地抜群の旗艦店に経営資源をつぎ込んで生き残るってきた。伊勢丹は新宿、阪急は梅田というように不動の 4番打者に本塁打を打ち続けてもらう作戦だ。しかし、これでは生き残りは出来ても、成長は難しい。不採算店を同業内で売り買いしても何の解決策にもならないし、ユニクロ、ニトリに上層階を貸して逃げるのも違和感を覚える。早く経営者の4番打者が出現し、逆転満塁本塁打を打ってくれないだろうか。それは意外と、別の業界出身者なのかもしれない。
16.11.2.朝日新聞 <検>経済気象台
備考:百貨店はいつまでも市民の夢であってほしい。時代の大きな変わり目の今、この流れを変えるのは今迄とは違う流れを読み取れる人に違いない。その人に大いに期待しよう。