散歩道<5722>
経済気象台(756)・水素エネルギーの未来
環境問題に感度の高い知人が、ガソリン車から燃料電池車に乗り換えた。地球温暖化の元凶といわれる二酸化炭素を排出しないことと、災害時などの停電の際、電源として利用できる事が動機だ。新しいタイプの車のため故障を危惧したが、問題はなく、快調に走行しているという。難点は水素を購入する水素ステーションが少ないこと。政府は2020年度までに水素ステーションを現在の倍近い160ヵ所まで増やす方針だが、可能か。水素エネルギーは21世紀のエネルギーといわれている。バスやトラック、鉄道、航空機、船舶などの輸送を始め、鉄鋼の航路はコークスから水素へ、ボイラーも重油・軽油から水素へ転換。動力から熱源、発電まで水素エネルギーの利用範囲は広く、画期的な技術革新と云える。「水素を制する国は、技術で世界を制する」と断言する学者がいる。日本は燃料電池車を市販するなど現在トップ陣営にいるが、半導体やパソコン、テレビなどでは他国に追い抜かれてた苦い経験がある。その轍を踏まないための戦略を立てるのが急務だ。水素の製造方法は様々であるが、水電解か熱分解で水素を分離する場合、電力や熱源が必要になる。製造コストを下げるには余剰電力や廃熱の活用も課題だ。化石燃料による発電は限度いっぱいまで来ている。再生エネルギーは安定供給が難しい。電子力発電は福島の事故以来、脱原発の機運が高まり、各地の電子力発電所の再稼動もままならない状況だ。水素社会の到来へ向け、より安価に持続可能なエネルギーを得るため、官民挙げて英知を絞る必要がある。原子力についても冷静な議論を始める時期に来ているのではないか。 17.3.2.朝日新聞 <検>経済気象台
備考:資源がない日本にとって、水素エネルギーが活用出来ると成れば大きな夢を描くことが出来る。現代人が未来へ残せる大きな財産である。