散歩道<5720>                     599から移動

             アイデンティティー(2)「関係ないよ」が根底に・連帯する「個」こそ必要<2>
               キーワールドで考える戦後60年を幸福(1)、(2)、      アイデンティティ(1)、(2)、  自由(1)、(2)を報告します。


 
だが「60年安保」の直後に政府が出した所得倍増政策は、国民から政治的関心を取り去ることにほぼ成功した。「当事者でない市民が広範に立ちあがる」状況を見る機会は、ほとんどなくなってしまった。近年は市場主義的な自由化で個人はさらに帰属性や関係性を断たれた。いまや個人が個人として最も輝くのは消費の場」という状態だ。国民の圧倒的多数が、自分は経済的成功を遂げた国家の一員だと信じる社会。日本の国民的アイデンティティーの核を作ってきたこの意識は、「不安でぜいたくな時代」とも呼べるバブル崩壊後にも生き続けている日常にひそむ抑圧を告発する個人は、この多数派から「私は黙って日常を生きているのに」との迷惑意識を向けられる。知花さんら3人の意見を圧殺しようとしたものの根に、それがあった。昨年のイラクで人質になった3人へのバッシングもそうだ。3人は身近でないイラク人に共感し。個として行動した。それは、無意識の日常を生きたい人々には迷惑なことだ。残念ながらこれは、手段であるはずの反映が目的化してしまった社会の帰結である。3人が人質にされたとき、日本には、イラク人の協力者との連携しながら解放への道を模索した市民グループがあった。政府の論理とは一線を画す、草の根の連帯だ。日本の市民がこういうつながりをもてたのは、平和運動の成果であり、繁栄によって欧米以外の世界を知るようになった成果である。世界は、企業や国家の枠とは別の連帯をますます必要としている。平和と繁栄が可能にする新しいアイデンティティーのありように希望をつなぎたい。2010年11月3日   '05.8.17.朝日新聞、シカゴ大教授ノーマ・フィールド

散歩道<55>IT社会と自己責任<202>米国の何が問題なのか・無理解、無知、無関心<300>自己責任、どちらの意見も正しい。<922>時流自論・安全求め分断進む米社会(1)(3)