散歩道<5648>
司馬遼太郎展・「21世紀”未来の街角”で」
会場入口から発表された数多くの連載小説の新聞で一面に貼られている壁はユニークである。会場には色んな小説が時代別に(或いは関連地域と線で結ばれ)展示されている。ケースの中の小説の上には文章の素になった関連資料や掛軸、人物像が飾られている(もっと多く見たかった)。叉、展示されている全部の数多くの素(元)の原稿には赤く修正されたものそのものが展示されている。壁一杯に大きく書かれている文章の冒頭部分が懐かしい。VTRの久々に聞く司馬遼太郎さんの声ははっきりしてわかり易く、懐かしく嬉しい。(私はTVの「坂の上の雲」で、秋山真之と広瀬外交武官がロンドンで日本が発注した軍艦の前で会うシーン、この軍艦の為日本国民は飲まず食わずの我慢でこれを手に入れたのだという日本の厳しい内情を語る渡辺健さんが語る声の印象が一番残っている)。司馬さんの全ての文章に、共通して感ずるのは、若さ、明るさ、夢と人への優しさである。その数多くの小説に改めて感心するが、書かれている本の主人公に一人一人の個性があり、それぞれの信念を貫き通す美学を大切にしてる、そこに読者が引付けられるのだろう、そこを、面白く書こうとされたのではないか。その文章に登場する2人ないし3人が対比的に取り上げられているようだ、信長と道三、信長と明智光秀、山内一豊と奥さん、ねねと淀、石田光成と家康、秋山好古と真之、秋山真之と正岡子規、西郷と大久保利通、勝海舟と坂本龍馬、吉田松陰と高杉晋作、緒方洪庵と村田益次郎、近藤勇と土方歳三というように、成程と思った。出口近くで、この展示会の思いをふせんに書き、貼るフアンで掲示板は一杯であった。ノートに何か書き残そうとしている人も気になった。
<検>文化、<検>美術展、
29