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文化遺産の保護(人類の知恵と想像力の宝庫)の意義 ・・・・・発想を変える
日本画家・平山郁夫様と韓国サムスン代表取締役社長李昌烈(イチャンヨル)様の対談から
(平山様のデビュー作は「仏教伝来」である。国禁を犯して天竺を旅し、17年かけて経典を持ち帰った玄奘三蔵の姿を描くことで、自分の道を見いだされたそうである。)
文化遺産は、人間の知恵と想像力の素晴らしさ、歴史の移り変わりのすさまじさを物語るものである。当時の日本や韓国はシルクロードを経て大陸から先進的な制度や新しい文化を自国にもちかえった。シルクロードは東西文化が行き交う交通路であり、最先端の文化や知識を伝播する「情報ハイウエー」であった。仏教は6世紀、百済から、日本画の絵の具や紙は7世紀高句麗から入ってきた。漢字は中国から、初期は朝鮮半島から、後、遣隋使、遣唐使、さらに渡来人から大陸文化を学び、自国の文化とした。韓国は年1回唐に人を送った。日本、韓国、中国は漢字使う、箸を使うという意味では同じ文化圏である。仏教文化という大きな枠組みでは、インド、中央アジア、東アジアはかって1つの文化圏であった。1200年前の雅楽(大陸ですたれ、日本に残っている)東大寺2月堂の修二会、(たいまつを使う儀式)(中央アジアどこでも見られる)。40年前、シルクロードに取材旅行に行って、自然崩壊、盗掘、紛争にあっていくさまに危機感を感じた。文化遺産は歴史の生き証人で人類共通の財産。人命と同じで一度破壊されたら2度と戻ってこない。赤十字のように敵味方、宗教、思想を超えて守るべきである。「文化財赤十字構想」を提唱された。(敦煌石窟保存への協力、アンコール遺跡の保存修復、高句麗壁画古墳群への保存、アフガニスタン内戦で、国外に流出した美術品の返還。)韓国では、人材と技術をもとに人類社会に貢献しようとしてる。”魚を届ける代わりに魚を釣る方法を伝授する”。国際支援はただ、モノ金を出すだけでは駄目で、自分達で自主的な復興にかかってくる。経済的、文化的に自立できるよう努力する、そのために必要なのは人材です。日、中、韓で5年で100人育成する。文化のルーツや成り立ちを知る。文化を守ることは何よりもその国の人の心や誇りを大切にすることだ。文化の面で国際貢献することが平和国家日本の進むべき道と思う、日韓の民間交流は年間400万人(日本から240万、韓国から160万)を超えた。今まで考えられなかったことだ。文化は時代や地域を越えた人類共通の価値、どんな困難な状況でも文化は国境を越えて交流することが出来る、遠まわしのようでも地道な文化交流の積み重ねこそが、世界平和につながる。
'05.7.26.朝日新聞
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