散歩道<5420>                                  561から移動

                        サミット・貧困問題成果乏しくテロ対策で結束、前面に

 同時爆破テロに揺さぶられながらも、主要国首脳会議は予定の日程をこなして閉幕した。議長のブレア首相はアフリカの貧困や地球温暖化を重要議題に取り上げたが、テロ問題が前面に踊り出たあおりで影が薄くなった。サミットは「世界の指導者等にテロリズムとの戦いを新たにすることを促す」米ロサンゼルス・タイムス紙警戒すべきは、これが西欧とイスラムの衝突を招く事態だろう。「新たな文明の衝突だとしても、それは西側先進国とイスラム世界との問題ではない。民主主義と自由を基盤とする世界と、暴力や抑圧、専制に依拠する勢力の衝突なのだ」と仏ルモンド紙は9日の社説で指摘する。イスラム過激派の関与が有力視されている。中東レバノンのデイリースターは「テロ行為は道義に反し、イスラムの教えを破るものだ」と強調する。アフリカの貧困問題だ。テロをそだてる土壌は、裏通りの貧困にある。貧困との戦いは安全保障において、テロとの戦い以上の役割を果たす」(ガーデン紙)英国では「貧困を過去の歴史に」と呼びかける運動が広がり人々の関心は高かった。ケニアのスタンダード紙はアフリカへの共感をもつG8だが『山頂まで案内され、景色も見せられたがすごすごと下山した』と深い失望感を伝える。「テロとの戦いにもかかわらずアフリカ問題が最重要の議題との判断をはっきり示した」とブレア首相を評価しながら、農業補助金削減の段階的な削減時期を固め切れなかったことに失望した。もう1つのテーマが地球温暖化対策だった。
 
ヒンドウ紙の記者は10日の紙面で会見の模様を伝えた。首相は『何の期待もせず』英国に向かったがブッシュ、シラク大統領から『途上国の貧困をそのままにして環境を守ることは出来ない』との主張に耳を傾けたという。ただシン首相は『各国の交渉にふさわしいのは国連だ。G8が地球の運命を裁定する場となることは認められない」とも語った。もっとも風当たりが強いのがブッシュ大統領だ。京都議定書の批准を拒む姿勢に批判が集まった。米ニューヨークタイムス紙は「議論の足を引っ張った米国こそ、重い責任を負っている」興味深いのは、中国共産党の機関紙人民日報だ。アフリカ支援や地球温暖化防止を議題としたのは、反グローバル化の声への1つの回答だとして[英国は世界の変化への感覚が鋭敏だった」確かに老成した国だ」と称賛を惜しまない。英フイナンシアル・タイムス紙は「ロシアはG8の1員にふさわしいことを証明すべきだ。他の7カ国は民主主義と法の支配で築いた市場経済をもつ」プーチン政権の強権的手法を批判。この懸念を各国に呼びかけた。1方8日のモスクワタイムス紙は米国の専門家の評論を紹介する形で、ロシアが議長につく意義を掲げている。「核テロへの戦いは別だ。ソ連が崩壊して以降、核兵器がテロリストや不法な政治指導者の手に落ちる脅威に立ち向かってきた。中国やインドが英国に招かれたことに関連して、人民日報は「サミットはすでに発展途上の大国との対話システムになった」と述べ、G8の見直しが中国の参加につながる事への期待と意欲を示した。

'05.7.13.朝日新聞