散歩道<5210>
                       クルーグマンコラム・米国の財政赤字
                               「危機」を吹聴する人たち(2)
                    (1)〜(4)続く

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 まず生データを示めそう。米国の財政赤字は、2008年の金融危機とそれに伴う景気後退のあと、急上昇した。歳入が急激に落ち込み、失業手当てなどのセーフティネット・プログラムへの歳出が増えたからだ。そして、この赤字は
よいことだったのだ民間部門の景気がパニック状態で悪化していた時、連邦支出は経済を支えるのに一役かった。「大不況」がかっての「大恐慌」の再現とならずにすんだのは、おそらく大きな政府が安定化の役割りを果たしたことが大きいい。
 だが、財政赤字は09年に1兆4000億j(約135兆円)の最高額を示した後、減り始めた。米議会予算局の見通しによると、13会計年度(12年10月スタート)の財政赤字は8450億jだという。まだ大きな数字に聞こえるかもしれないが、経済の状況を考えれば全くそんなことはない。
 覚えておいて欲しいのだが、財政を持続可能な道筋に乗せるのに、財政が均衡している必要はない。必要なのは、債務の伸びが経済成長を超えない程度に、赤字が小さいことだけだ。古典的な例をあげよう。米国は第2次世界大戦からの債務をまだ完済していない。実のところ、この国の債務残高は戦後30年間で倍増した。だがその対国内総生産(GDP)比を見れば、同期間に4分の1になっている。

'13.3.14.朝日新聞・クルーグマン


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