散歩道<5211>
クルーグマンコラム・米国の財政赤字
「危機」を吹聴する人たち(3) (1)〜(4)続く
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いま現在、持続可能な赤字は4600億jほどだろう。現時点の赤字はそれより大きい。しかし予算局の新しい推計によると、今の財政赤字の半分は、いまだに続く不景気の影響を反映しているのだという。「景気循環調整後」の赤字、つまり、もしも完全雇用に近かったら赤字はどれだけなのかを計算すると、わずか4230億jほどであり、持続可能な範囲にある。予算局は、来年にはその数字がたった1720億jに減ると予測する。つまり予算局の予測は、この国の債務状況が今後10年間、多かれ少なかれ安定するということを指し示している。
よって、今もこの先も、われわれはいかなる赤字危機にも直面していない・・・・もう一回言う、「直面していない」のだ。
勿論、長期的な財政問題はある。医療費の上昇と高齢化より、予算への圧力は20年代に高まるだろう。だが、このようなより長期的な懸念がなぜ、いま現在の予算政策を左右すべきなのか、理論整然とした説明を私はまだひとつも目にしたことがない。すでに述べた通り、経済のニーズを考えれば、今の赤字は小さすぎるのだ。
こう言い換えよう。懸命な財政政策には、民間部門が支出しないときに政府に支出させることも含まれる。景気の低迷時に景気を支え、好調時にだけ債務を減らすのだ。それなのに、景気循環調整後の赤字の対GDP比は現在、住宅ブームの絶頂にあった06年と同程度である。そして、さらに減る方向にある。
'13.3.14.朝日新聞・クルーグマン
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