散歩道<5209>

                       クルーグマンコラム・米国の財政赤字
                               危機」を吹聴する人たち(1)
                    (1)〜(4)続く

 3年以上にわたって米政府の政策論争を支配してきたのは、財政赤字の危機に対する警戒感だった。少数の孤独な経済学者たちは当初から、この強迫観念はすべて間違いであり、不況時の赤字覚悟の財政出動は実は真っ当なことなのだと示すとしてきた。だが、財政赤字ばかりとやかく言ううるさ型連中は、これまで何も間違っていた(だって、約束された金利上昇はどこにある?)というのに、「論点が間違っている」という抗議はずっと聞き流されてきたのだ。
 しかし、いま本当に驚くべきなのは、事態が急速に変化しつつある中でもなお続く、赤字強迫観念の根強さである。人々はいまだにこう言わんばかりだ。「財政赤字が爆発的に膨らんでいる」「米国の予算は持続可能でない道筋を辿っている」と。だが実際には、赤字減少の速さは過去数世代の経験のなかで最速であり、すでに持続可能な水準にまで下がっている。いまの経済情勢からすれば赤字は小さいすぎるくらいなのだ。


'13.3.14.朝日新聞・クルーグマン

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