散歩道<5201>
インタビユ・オピニオン・ 中央銀行の使命(2) (1)〜(5)続く
疑念なき独立性が 悪い通貨創造防ぐ 人気取りはしない
英国の中央銀行であるイングランド銀行(BOE)のマービン・キング総裁が日本メディアの単独会見に初めて応じた。コング総裁は、英国が20年前、インフレ目標を導入した際の政策立案者でもある。日本銀行もインフレ目標を採用し、近く黒田東彦(はるひこ)氏を総裁とする新執行部が誕生する。英国の教訓、そして中央銀行の役割りについて聞いた。
・・・・それから20年あまり、インフレ目標は成功したのでしょうか。
「導入後20年の英国のインフレ率は平均2.1%で、目標に極めて近い。70年代は12%を超え、80年代も6%近かった。インフレ目標の導入は30ヶ国以上に広がりました。中央銀行が物価安定を目標とすることの恩恵を忘れるべきではありません」
「ただ、15年の成功のあと、過去6年の金融危機と世界経済の混乱は、インフレ目標の妥当性に深刻な問いを投げかけています。英国の国内総生産は、危機前のトレンド線より15%
も低い。バブルを防ぐ為には、物価目標を下回ることを許容する金融政策が正当化される状況があるからかも知れません。しかし、より重要なのは、(実体経済と金融機関の行動が相互に与える影響を分析し、金融システム全体を安定させる)マクロプルーデンス政策を採り、資産価格の過度な上昇、つまりバブル経済を抑えることです」
・・・日本銀行は今年1月、インフレ目標を導入しました。それまで「物価安定のめど」を1%としてきましたが、明確な目標として設定しました。それまで「物価安定のめど」を1%としてきましたが2%を明確な目標として設定しました。
「明確なインフレ目標を持つのは、完全に理にかなった政策だと思います。問題はインフレ率を目標値まで上げていくために、どんな政策手段があるのか、という点です」
「世界中の中央銀行が、景気か回復のためにどんな政策手段があるのか見つけるのに苦労しています。将来、通常の金利水準にどのように戻すのかも心配しなければならず、大きな問題になっているのです。日本の金利は長期間ゼロで、日銀のバランスイート(購入している国債などの規模)は巨額です。英国も過去5年は低金利で中央銀行のバランスシートも大きかった。いつまでこの状態が続くか分かりませんが、手遅れにならないうちに、普通の状態に戻す必要があります。インフレ目標よりも、通常の状態に戻すときの政策手段のほうが大きな課題なのです」
'13.3.16.朝日新聞・イングランド銀行総裁・マービン・キングさん
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