散歩道<5192>
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インタビユー・オピニオン・リフレ論争の限界(5) (1)〜(5) 続く
雇用の不安見直せ 貨幣だけに頼らぬ 助け合う経済の芽
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・・・雇用・労働政策が盛り上がらない一方で、金融緩和だ、物価を上げろ、の声がやみません。
「貨幣経済に染まった戦後的惰性なんでしょう。貨幣を増やせば生活が豊かになる、成長すれば何でも解決できるという旧い意識にとらわれている人たちが、内輪で同じことを言い合っているうちに、それが真理のように思えてくる。金融緩和で物価を引き上げ、デフレから抜け出そうというリフレ政策は、共同幻想のようなものです」
「資本主義経済は成長し続けないと行き詰るという困った原理をもっています。市場で競争する仕組みだから、絶えず商品価格の下落が起きる。そこでいかに安くつくるかとなって、新技術の導入で効率よくやろうという動きと、賃金など労働コストを下げる動きが出てくる。新しい産業が余った労働力を吸収できないと、失業者や低賃金の人が増え、消費が落ちて市場が縮小し、逆に資本主義の発展を阻むことになる。しかし、市場の拡大が極端な格差社会を生むようになった今日では、これまでの論理は通用しません。物価が上がる、上がらないという狭い論争はもうやめて、地域、地域にふさわしい持続可能な労働力の場をつくっていくことを考えるべきです」
13.3.13.朝日新聞・哲学者・内山 節(たかし)さん
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