散歩道<5182>  
                             仕事力・やるべき事は、軽やかにやれ(3)                  (1)〜(4)続く 
                                 生意気でいいじゃないか 

若いからできることがある  
 時代の変化を肌でヒリヒリと感じていうのは、やはち20代、30代だろうと思います。日本の企業ではまだまだ忠誠心を求められますから、上司の指導を得て仕事にはげみ、その過程で力をつけていこうとあなたも頑張っていることでしょう。それでも心のなかで疑問が頭をもたげてくる「このままでいいのか」「自分がするべきこと仕事はこのままでいいのか」と。
 私はまず5年間はそこでつかめるものを学んでこい、といいたいですね。企業が若い人に教えてくれる仕事の内容は基礎力として大切なことが多い。製造業でも、流通やIT通信、金融でも、そのビジネスを俯瞰
(ふかん)できる土台やシステムを自分に叩きこんでください。ここがいい加減だと、椅子の脚が弱くてグラグラしているようなんもので、次の付加に耐えられないのです。
 しかし、胸のなかで目を覚ましている疑問は持ち続け、自分の視点として育てて行くべきです。なぜ自分はこんなに違和感があるのか、何をどうすればいいと感じているのか。改善できるとしたらどこか。そのためにどのようなチカラが必要になって来るのか。それらを考えるのが若い人の役割りでもあります。皆さんの中から現代に再来するであろう坂本龍馬
(1835-1867)は靴をはいてピストルを持っているのではなく、リーダーシップの覚悟を持って、ピストルの代わりにネーティブに近い英語力を武器に、風を入れていく人ではないでしょうか。
 仕事ができるのに、どうも生意気だといわれるのはそういう存在です。でも、それでいい。責任のある仕事を任されたら、思い切って力を振り絞って自分を追い込んでください。失敗しても命の心配がない現代は、せいぜい責任を問われてクビになるだけです。食べていかなければいけないから次の受け皿は必要ですが、そうなったらなったらでまた真剣に探せばいい。ただし借金だけは作らないこと。話が、龍馬からいきなり現実的になりますげれど「足かせを捨てて走れ」とお伝えしておきたい。

苦い話にも 耳を傾けて欲しい 
 約30年間の外資系企業勤務を続けた私は、日本の中ではかなり生意気なヤツになり、今はビジネスの現場に「歯がゆいじゃないか」といっています。私たち力はこんなものじゃない、国内外に向けて、日本人をなめてはいけませんよ、と示したい気持ちに突き動かされています。気づいてくれる若い人は多く、元気になっていく姿が心強い。それこそ「彼ら、彼女らの心の足かせを外す」ことが、わたしのミッションの一つです。
 加えて、若い人には居心地のいい所だけにかたまらないでいて欲しい。グローバルな時代に適応する世代はまた、人生の先輩やシニアから学ぶ気持ちを持たなくてはなりません。リアルに仕事や人生を生き抜いてきた実体験の価値は、とても大切なものだからです。
 わたしも誘われて始めたゴルフで、リタイヤした企業人と交流する機会が自然に増えたのですが、フトコロに飛び込んでいけば様々なことを学べます。おそらくあなたの上司も、多くの知恵や考え方や夢を潜ませていると思います。「時代遅れ」などと決め付けてはいけない。学ぶことには貪欲
(どんよく)であるべきですから。

13.2.10.〜3.3. 朝日新聞・コミュニカ代表取締役・山元 賢治さん

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