散歩道<5174>  

                           インタビユー オピニオン・経済学は無力か(1)                     (1)〜(6)続く    
                            なぜアベノミクス 物価2%の覚悟 市場は疑っている
 
 
 経済学はリーマン・ショックに有効な処方箋を示せず、日本はデフレに沈んだままだ。ノーベル経済学賞でも、危機に真っ向から挑む受賞者は出てこない。これは経済学の敗北、経済学者の逃避ではないか。そんあ批判に対し、斉藤誠さんは冷静な語り口ながら、しかし断固として反論する。それでも経済学には貢献できることがある。と。

・・・安倍普三首相の経済政策「アベノミクス」が市場ではやされ円安、株高が進んでいます。経済学者としてこれをどう評価しますか。
  「小泉政権以来の公共事業抑制路線に風穴を開け、国土強靭
(きょうじん)化を打ち出したタイミングが絶妙でした。大震災やトンネル事故でインフラの老骨化問題に国民の関心が高まっており、すんなり受入れられました」
  「ただ、株高の要因となった円安は政策効果とはいいがたい。すでに作夏から全通貨ベースの円安は進んでいました。理由は、欧州債務危機が最悪期を脱し、米経済に復調の兆しが見えてきたこと。投資家が円に逃げる必要がなくなったためです。政権も自らの政策効果などと言わず自然体で臨めばいい」
・・・お金をばらまく量的緩和で物価を上げてデフレから脱却しようという「リフレ政策」もアベノミクスの柱です。これは危うい政策では?
  「今回政府の求めに応じて日本銀行が掲げた2%の物価上昇目標ですが、市場は中長期にも実現するとはまともに信じていません」
  「なぜなら理論的には、物価が2%上昇すると金利は3%ぐらいになる。賃金も3、4%ぐらい上がるでしょう。そうなれば企業のコストは膨らむし、国債価格が急落して、国家財政も、国債を大量に抱える銀行も困る。雇用に影響が出て労組も困る。そんな姿をだれも望んでいません。結局、経済界も自民党も、円安による輸出主導での成長が落としどころと考えているだけなんです」

'13.2.27.朝日新聞・一橋大大学院教授・斉藤 誠さん

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