散歩道<5142>  

                           社説・混迷の時代の年頭に
                         
「日本を考える」を考える (2)              (1)〜(4)続く     

グローバル化の中で 

  ちょっと寄り道して欧州に目を向けてみる。去年は財政危機で散々だった。ギリシャを皮切りにほかの国々も綱渡りを強いられた。ユーロ圏崩壊という観測まで出た。
 ようやく年末、一番ひどかったギリシャの長期国債の信用格付けが引き上げられた。楽観はできないけれど、最悪事態が少しだけ遠ざかった。
 一息つけたのは「欧州人が深く関わった」から、と欧州連合(EU)のファンロンパイ首脳会議常任議長はいう。実際、EUと仲間の国々が総がかりだった。助ける国も助けられる国もエゴに引きずられはしたが、結局、国境のない危機の打開に国境はじゃま。主語を「ギリシャ」ではなく「欧州」としたからなんとかなった、ということだろう。
 統合を進めるEU固有の話ではない。グローバル経済に振り回され。一人では乗り切れないのは日本も同じだ。
 成長は欧米やほかのアジアの景気頼み。雇用をつくるのは、日本の企業や政府だけでは限界がある。金融危機についても取引規制のような根本的な対策は、ほかの国々や国際機関との連携抜きにはできない。
 昨年9月末には、日本の国債発行残高のうち外国人が持っている率が9.1%に増えた。世界一の借金大国の命運もまた、その小さくない部分を国の外の投資家達が握り始めている。

'13.1.1.朝日新聞


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