散歩道<5126.>
耕論・オピニオン・オバマ再選後の米国
分極化する価値観せめぎ合う(3) (1)〜(3)続く
●超党派の動きも
共和党にとって、これだけ失業率が高い中で勝てなかったのは、それなりにショックが大きいと思います。ロムニー氏の命取りの一つは、予備選の中で強硬な反移民の立場をとり、ヒスパニック(中南米系)票が離反したことでした。米国で非白人の比率が高まる中で、今のような不法移民に厳しい共和党の態度が妥当かどうか、長期的には問題になると思います。ただ共和党には、中道寄りに軌道修正するよりはむしろ保守基盤を掘り起こしたほうがいいと考える人が多く、また保守的な立場をとる人の方が活発な支持基盤を持つことになって、政治資金も集まりやすく有利だという現実もあります。当面は、態度を変える可能性はないでしょう。 今回の議会選で共和党が引き続き下院の過半数を維持する方向ですが、オバマ氏も1期目の経験から、容易には妥協をしないと思います。イデオロギー的な膠着状態が続くでしょう。1期目のオバマ政権は最初の2年間、医療保険制度改革や金融改革など立法的には成果をあげましたが、中間選挙で大敗した後はほとんど成果が出ていません。2期目のオバマ政権は、共和党が仕掛けるであろう医療保険制度改革の廃止を阻止するなど、非常に受け身な、1期目の成果を守り抜く為の2期目、という側面が濃くなるでしょう。
こんな政治が分極化すると、米国の国益に反するのではないかという見方があるのも事実、議会で超党派のアプローチを模索するグループが登場しているのも事実です。ロムニー氏も選挙戦で、マサチューセッツ州知事時代について「自分は議会で多数を占める民主党議員と協調した。ワシントンでも超党派でやる」と言って、拍手を浴びた。そうあってほしいという願望はあるのですが、分極化を克服するのは簡単ではないでしょう。
'12.11.9.朝日新聞・東京大教授・*1久保 文明さん
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