散歩道<5125.>
                    耕論・オピニオン・オバマ再選後の米国
                         分極化する価値観せめぎ合う(2)            (1)〜(3)続く
 

●対決姿勢あらわ

 ところが今回、オバマ氏は相当にネガティブな選挙選をやりました。ロムニー氏に対して「首切り名人」「雇用を中国に流出させている」など徹底批判しました。
 転換のきっかけは、11年8月2日を期限にした、連邦で政府の借り入れ上限をめぐる共和党下院との交渉だったと思います。オバマ氏は共和党の主張を一部のむなどかなり譲歩しましたが、共和党保守派はほとんど譲らず、逆に民主党内から「オバマ氏は信念があるのか」という幻滅を招いた。共和党保守派は絶対に妥協をしない、ならば相手を包みこむような態度ではなく、富裕層への増税を1kも認めないと硬直した共和党を徹底的にたたくしかないと、オバマ氏は考えたのでしょう。
 分極化する政治の現実を前に「一つのアメリカ」のレトリックが挫折した、という面はあると思います。ただ経済の現実をみれば、そんな夢のようなストーリーを聞いてくれるような人は少ない。経済的困難の中での再選戦略としてはやむを得ないという気もします。

'12.11.9.朝日新聞・東京大教授*1久保 文明さん


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