散歩道<5124.>

                    耕論・オピニオン・オバマ再選後の米国
                         分極化する価値観せめぎ合う(1)            (1)〜(3)続く
 

 接戦の末、米大統領選を制したのはオバマ氏だった。内政では財政問題、格差の拡大と課題が山積する一方、中国など新興国が台頭し、超大国・米国の力に陰りも見える。米国はどこに向うのか2人の識者に聞いた。

 あまりに語られていないことですが、今回の大統領選の大事なポイントは、民主党と共和党、どちらの経済政策がこれからの米国政治において支配的になるかの闘いでもあった。
 景気はおそいけれども徐々によくなる方向にあり、再選されれば2期目には「1期目の自分の政策は正しかった」と国民に向けて言える。それがオバマ氏の考えです。しかしロムニー氏が大統領になったら「ほら、共和党が小さな政府を実践して景気はこんなによくなった」となって、共和党的な景気対策にお金を使わない考え方が今後、強い影響力を持つことになる。景気回復の手柄をしロムニー氏に横取りされたくないという思いと同時に、民主党の経済政策が今後10年、20年にわたって支持されるためにも、オバマ氏にとっては再選が非常に重要だったのです。初の黒人大統領が誕生するかどうかが焦点だった2008年は「特別な選挙」でした。オバマ氏を当選させることで米国人は新しい歴史作りに参加でき、世界に向けて「見ろ、米国はいい国だろう」と誇示できる。そんな面がありました。オバマ自身も「自分なら分断された米国を一つにまとめられる」と訴え、みんなそのレトリックに酔ったわけです。

'12.11.9.朝日新聞・東京大教授*1久保 文明さん


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