散歩道<5122>
仕事力・本気になりませんか(4) (1)〜(4)続く
仕事と家庭を切り離さない
「おねしょ」から学んだ働き方
日本の組織はまだまだ官僚的です。「家庭に仕事を持ち込むな」という不文律がありますから、仕事人としての自分と、家庭人としての自分の間に壁を作り、縦割りにしてしまう。それは非常にストレスが高く、精神的にも不健康な状態だと思います。
世界銀行時代に優秀な部下の成績が下がり、目に見えて元気がないことに気づいた事がありました。「小学生の息子の成績が下がり、私が海外出張するたびにおねしょするようになった。心配で仕事が手につかない。仕事と家庭の両立がつかないから、いっそ世界銀行を辞めようか」と悩んでいたのです。ふと思いついて、息子さんを出張に連れて行ったらどうかと提案しました。
忘れかけた頃、その小学生から出張報告書が届きました。「お母さんが飛行機で飛び立った後にしていることがわかって嬉しい。 お母さんはインドの貧しい子ども亜学校に行けるようになる仕事をしている。僕もお母さんの良いになりあちから、頑張る:と。読みながら泣きました。彼のなかで、自分をおき去りにする仕事と母親がつながったのですね。勿論おねしょはピタリ止まり、成績は母子そろってうなぎのぼり。
仕事にはやりがいがあり、家族はいとおしい。その両方の喜びがなかったら、仕事人の幸せはない。追い求める働き方は、そこだと教えられた出来事でした。
組織は人間箱ではない
合理的に、仕事の能力だけを提供させる組織は、人を幸せにできず、最終的には仕事の能力を下げる。仕事人の幸福追求と組織の反映は、しっかりつながっている。これが私の実体験です。組織を率いるなら、社員だけ見ていては落第で、見る単位は社員とその家族なのです。滅私奉公の意識が根強い日本では、まだ遅れていますが、上に立つ人は早く、幸せがビジネスにもたらす力に気づいて欲しい。
会社は利益を上げる箱だと考えるのではなく、一緒に働く社員を始め、下請けさんや、問屋さん、運送屋さんなど、関係のあらゆる会社とその「社員を人として見るのです。管理職の人間がその視点を持つと、必ず部下が変わり、組織の大飛躍が始まる。
誰もが幸せに仕事ができるように、組織のトップを始めすべての管理職は、社員とその家族への思いやりを、行動で見せるべきです。例えば部下と話かったら、呼びつけるなんてことをしてはいけない。会いたいときは、相手の居る場所へ出向いて下さい。また失敗したら思い切り本気で謝ることも非常に大切です。権力や肩書きでごまかしたり,見えを張ったりすると、即座に部下の信頼を失いますから。
働くことは「はた」を「らく」にすること。仕事は、あらゆる人間の幸せのためにある。その素朴な真実に本気であって欲しいと願います。
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'12.12.2〜13.1.6.朝日新聞・西水美恵子さん