散歩道<5121>
仕事力・本気になりませんか(3) (1)〜(4)続く
若い世代は、冷めていない
壮年は自分の 思い込みを解こう
2003年に世界銀行を辞して母国に滞在する時間が増えると、日本の現状が一層気にかかるようになりました。政治や行政に関わる人々の仕事意識、国家と企業の危機管理への覚悟、人口減少や高齢化、そしてまた、国際的なオピニオンリーダーが眉をひそめる日本の男女雇用格差など・・・。問題に立ち向かう動きが欧米に比べて非常に鈍い。「その解決に携わるべきあなたは、本気ですか」と問いたくなります。
例えば往年の人たちは、今の若い世代は覇気がないとこぼす。大過なくつつましく暮らそうとしているから活気が生まれないと。私はそういう壮年を「バブロー」*1と呼びたい。あの異常なバブル時代に、その波に乗って駆け抜けた体験を自分の元気と勘違いしていませんか。では、今のあなたはどうなのでしょうか。日本全国の中学生から大学生や、若い社会人と話す機会を頂きますが、彼らは目を輝かせて鋭い質問を浴びせてきます。私が自分の体験やリーダーシップについて語ると「リーダーとは本当にそんなに寂しいものなのですか?」とか、「なさったことは必然ですか?」と。これから自分が本気で考えているから、質問にごまかしがない。特に地方に住む若い世代は、地域社会の絆*2の中で、高齢者の存在や経済の危機などを肌で感じ、何かを担おうとしている。だからこそ大人は、胸襟を開かなければならない。真剣な若い世代と共に、チームになって頂きたい。
リーダーシップとは何か
リーダーシップ=チームです。人間の集団や組織にはグループ型とチーム型があります。強いリーダーがトップにいて下の人を引っ張るのがグループで、中の人は、指令され、組織の目標についていく。それが多くの職場の現実だと思います。でも、本当に個人の力が出せるのはチームという働き方です。サッカーなどのスポーツを思い浮かべると分かりやすいのですが、チームは目的をしつかりと共有し、そのために一人ひとりがチームの価値観と自分の役割りを認めあい、状況ごとにリーダーを替えていきます。グループは、議論し結論を出しても実行を担当者に委ねますが、チームは、議論し結論を出したら自ら実行に力を合わせるのです。つまり、自分の役割りを自分で切り開いてグイグイと周囲を引っ張るのが、チームの リーダーシップです。誰もが、どこかの場面でチームに貢献するリーダーになること。そうすると仕事が実に生き生きと面白くなってきます。20代と50代では見えるものが違い、できることが違います。若い世代が冷めていると感じるのは、リーダーシップ体験が少ないからではないでしょうか。「力になりたい」「できることをしたい」、そういう気持ちを見抜き、チームとして引き出し合い、仕事に情熱を傾ける努力を始める時です。
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'12.12.2〜13.1.6.朝日新聞・西水美恵子さん