散歩道<5113>                                        546から移動

               
幸せ大国めざして(11)・市場は万能か・こぼれた「公」どう救う
               (1)〜(17)続く
                         美術館・バス縮小続

 全国有数の高級住宅地である芦屋市、その私立美術館が閉鎖の危機にさらされている。阪神大震災の復興で財政が悪化した市は赤字の美術館を民間業者に運営委託しようとしているが、期限としている来年3月までに委託先を見つける目処は立つていない。
メセナは縮小
 前衛美術作品のこの美術館の存続には国内、海外から1万7千人の署名が集まったが入場料の収入では維持運営に必要な年間約1億2千万円の経費の10分の1しか稼げない。「地域に美術館を残したいという○○様ら芦屋市の住民は運営の受け皿作りをめざしてNPOを立ち上げた。実現すれば、全国でも珍らしい公立美術館になる。ただ維持費の工面やスタッフの確保など難題が待ち受けている。美術館などの公共施設の管理は03年の法改正により民間業者にゆだねられるようになった。競争原理により経営難施設を再生させる為だ。すでに島根県立美術館や広島市、富山市も委託を決めている。
山口康弘三重大教授(美術史)はこの動きに否定的だ。集客重視のイベントに弊害の方が大きくなるのではないか。たしかに民間の美術館経営もここ数年、西武、三越、伊勢丹、東部百貨店など美術館が閉館した。名古屋の米ボストン美術館も入場者数の低迷で存続の危機を迎えている。80年代バブル経済で多くの企業がメセナ(芸術文化支援)活動に乗り出した、小林真理東大助教授(文化資源学)「美術館は収益を生み出す存在ではない。行政が長期的に支えていかないと成り立たない」と指摘する。
情報格差進む
 パソコンで新しい情報を吸収する人とパソコンに触れない人との差がどんどん広がっている。
(国内には肢体不自由175万、視覚障害30万人、視覚、言語障害35万人、)米国では情報機器を納入する場合、障害者が使いやすい仕様にすることを義務ずけた。障害者仕様に統一するメーカーが増えている。
赤字路線バス
 
走れば走るほど赤字になる路線バス、いま、全国のバス路線の7割が赤字だ、縮小廃止が検討されている路線も少なくない。市場機能にゆだねているだけでは、需要の伸びは全く期待できない過疎地域の住民の足は、今後も細っていくだけだ。青森市は「住民参加型路線」を採用した。廃止寸前の路線の回数券を、バス利用しない世帯も含め全世帯が毎月買い支える仕組みだ。自治体とバス会社が住民に運行費の1部負担を提案し実現した。市場経済が主役の時代になり、規制緩和や民営化が潮流となった。そのことが、経済の低迷や社会の変化とあいまって、担い手不在の公共空間を広げている。どこまで、そしてどうやって、市場からこぼれ落ちるものを救うのか。改めて考える必要がある。2013年2月18日


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備考:幸せ大国をめざして<1240>(1)(2)<1433>(3)、<491>(4)〜<495>(8)、<544>(9)<552>(17)