散歩道<5111>
総選挙・インタビユー・オピニオン・荒瀬ダムから考える
成長か脱成長か 共助の社会にあう 設計図を競え(4) (1)〜(5)続く
荒瀬ダムから約20`ほど下流の球麿川河口。干潮時に訪れると干潟が広がり、地元の人がアナジャコをとっていた。ダムのゲートが常時開いたのは2010年4月。地元の環境カウンセラー、つる詳子さんは「自然が急回復している」。絶滅危惧種のミドリシャミセンガイも増えたという。
・・・・自然と共生する意味を考えさせられます。しかし公共事業は地域経済を支えてきたはずです。
「そうだとしても景気浮揚効果や雇用は一過性です。そのことは『失われた20年*1』が証明しています」
「国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、日本の人口2.100年に最小で3700万人程度になるといいます。いまの3割ほどです。これは公共事業だけでなく社会保障、教育、、経済、外交、つまり日本社会のすべてに決定的な質の転換を要求する。原発、消費税、TPP(環太平洋経連携協定)の議論は大切ですが、政策は単位的な視点でなく、人口減少が進んでいくという大きな文脈の中で考えるべきです。早い話、人口がいまの3割ほどになったら原発は不要だし、食料の自給も難しくない。地方で65歳以上の人が4割になる。地域によっては全員が高齢者、一人暮らしというような社会に備えななければならない」
・・・・それでは縮小均衡に陥りませんか。やはり成長が必要なのでは。
「上げ潮派が言う『成長』は、金の面から見た成長です。でもお金は、人口減少社会でも豊かさを象徴するものでしょうか。家族に見守られて自宅で最期を迎えたい、隣近所が介護や子育てを喜んで助ける、そういうふうに社会の価値観が移っていく。共に助け合う社会が大切だ、と被災者のみなさんが教えてくれているではありませんか」
「私は『競争社会』から『共助の社会』へと国のかたちを変えていくべきだと思います。農業、漁業、商店街、そして町づくり。これらはもう一人ひとりの才覚だけではうまくいかない。地域の人が参加し、そこで得た利益はその社会で分け合っていく。そんな自治を基本に、人口減少社会の設計図を描くべきです。財政に余裕はなく、国にいつまでもおぶさっていくような政治スタイルは切り替えなければなりません」
'12.12.6.朝日新聞・法政大教授・五十嵐 敬喜さん
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