散歩道<5109> 

                       総選挙・インタビユー・オピニオン・荒瀬ダムから考える   
                       人口減少に直面し 巨大事業の転換点 「壊すルール」必要(2)           (1)〜(5)続く

 日本3大急流のひとつにか終えられる熊本県の球麿川。林業が盛んだった土地らしく深い緑に包まれている。その中流にある荒瀬ダムで9月、全国はつとなる大規模バムの撤去工事が始まった。人口が減り始めたこの国に、ふさわしい公共事業のあり方とは。公共事業研究の第一人者、五十嵐 敬喜さんと「廃ダム」の現状を歩いて考えた。

 八代市中心部から車で30分。球麿川に沿って国道を縫うように進むと、9本の巨大なコンクリートの柱が見えてきた。高さ25b、幅211bの荒瀬ダムだ。開放されたゲートから勢いよく水が流れ出ている。ゲートはすでに一部が撤去され、6年かけて完全に買いたいする。

 「熊本県はダム存廃で判断が揺れました。費用の出し手がいなければ壊したくても壊せない。国か、自治体か、電力などの受益事業体か、それとも地元か。荒瀬ダムを教訓に、巨大公共事業の撤去費を誰がどう負担するのか、国全体でルールを決めなければなりません。また、今後新たに公共事業を行う場合は、撤去費を含めた費用対効果を考えるべきです。事故が起きたときの費用を無視して原子力発電のコストを計算してはいけないのと、構図は同じです」
  「私は早急に公共事業基本法を制定する必要があると考えています。どのような条件なら新規着工するのか、あるいは中止するのか、維持補修の時期や責任、中止した場合の損害の補償など、公共事業の大きな枠組みを決める。1988年に長良川河口堰
(かこうせき)(三重県)が、89年に諫早湾干潟事業(長崎県)が着工された際、多くの人が自然を破壊する無駄な事業だと思った。本来はこの時に基本法を作るべきでした」

'12.12.6.朝日新聞・法政大教授・五十嵐 敬喜さん
 
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