散歩道<5107>
総選挙・インタビユー・オピニオン
反TPPの核心(5) (1)〜(5)続く
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・・・経済学は今の停滞や危機に有効な処方箋を示せていません。脱成長モデルだって確立されていない。どうやって実現するのですか。
「世界はこれから経済も政治も、そして外交も不確定性が高くなる。グローバル化のもとではこれが予測のつかない形で国内経済に影響し、雇用を不安定にする。できるだけリスクを避け、国内でお金が回る構造を生み出した方がいい。『内向き』というとそれだけでダメという俗な風潮がありますが、あえて戦略的に内向きになることが必要です」
・・・どのようにですか。
「構造改革で弱体化した生活基盤や地方都市、コミュニティーの復興など国内でやることはいくらでもある。日本企業はできるだけ国内市場を開拓し、国内投資をする戦略をもてと言いたい。民間需要がない今のような時期は、政府が防災や将来の社会像をめざして公共投資を進めることも必要です。日本は国民が働きに働いてここまで来た成熟社会。さらに新興国と競争すれば、個々の労働者は大変な負担を強いられる。コスト競争から賃金が下がり、デフレが進むからです。これ以上、新自由主義的な競争システムでやるべきではない。競争主義や成果主義、金銭主義から少しずつ撤退すべきです」
'12.12.1.朝日新聞・京都大教授・佐伯啓思さん
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