散歩道<5101>
総選挙・インタビユー・オピニオン・ポピュラリズムの正体
「構築する政治」へ 外からの力が 硬直さを刷新する(4) (1)〜(5)続く
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・・・回帰すべき原点を持たない私たちがポピュラリズムをうまく使いこなすことができるでしょうか。
「逆説的ですが、語の本来の意味でのポピュラリズムを徹底することだと思います。立ち返るべき原点を持たない私たちは、どんな社会に住みたいのか、どんな政治を望むのか、一人一人が突き詰めることから始めるしかありません。自分の本当の欲望が分からないから、政治に対するマインドが消費者化し、これがダメなら次、また次と、政治そのものを疲弊させている。いまのポピュラリズムも、その消費者化した有権者の一時的な欲望を満たして人気を得ればいいとなっています」
「しかし政治とは本来、短期的で個別的な欲望を、より高尚で普遍的な欲望につなぎ、人々を導いて行くものです。民主政治を正しく機能させるには、個別的な欲望を新たな形でまとめあげる政治リーダーが必要です。そして既存の硬直し切った政治をポジティブに刷新できるのは、既存システムの外から出てくるポピュラリストということになるでしょう」
・・・そもそも世の中を一新してくれるリーダーを追い求める心性こそが問題ではないでしょうか。
「真の問題は冷戦後、企業的な発想が政治に持ち込まれ、効率性を高める、英断を下すといった企業経営者モデルのリーダーシップ像で塗り固められていたことです。その延長線上に現在の首長型ポピュラリズムがある。しかし政治リーダーとは本来そういうものではありません」
「政治リーダーとは人々を導く上質な『物語』を語れる人です。利益を分配することで指示を集めてきた政治が、何も分配する者を持たなくなったとき、手元に残るのはオバマ大統領の『ひとつのアメリカ』のような、国民を包摂できる物語しかない。今や政治リーダーは、国民を『代表』するというよりも、『表現』することが求められるのです」
'12.11.30朝日新聞・北海道大准教授・吉田 徹さん
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